今年も気合いやな



唇が乾いて、そしてそれが割れたら血が出てきた。

聞いてみたらおれだけじゃあなく、みんなもそうだと言い、「これじゃあ女の子とチュウできへんぞ」と言って笑う。

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脱水症状になりそうになったり、重い桜を担いで雪のなかを歩く度に全体にくる異常な痛みはあるが、仕事が終わったあと、雪を見ながらみんなで風呂に入って大メシを食ってるときは冗談を言いながらやるのは、毎年のたのしみだ。
そして夜は深けるまで朦朧としながらも、原稿を書きつづけた。
いまは、この夏までに出版する3つの本と、二つの連載を抱え、文字を書くことをたのしみつつも、これこそ人生の修行やなぁと痛感している。

年明け早々から劇的に忙しくしているが、どこでなにしてても、自分のいま持っている時間が人生レベルの瞬間で、指の隙間からこぼれる水のように過ぎていく。

最近は、いま進行中の二つのドキュメンタリー番組に加えて、朝日新聞社の記者さんが行くとこ行くとこに駆けつけてくれていて今回の長野合宿も取材に来られたのも、そうやって自分の歩みがなにかの記録に残してもらえることや見届けてもらえるシチュエーションには正直、自分はむいているのだと思う。

桜を切ってるときも、大きなプロジェクトに立ちむかっているときも、日常も、どんなときでもおれは裏表がない人間だから、“できるだけ見てください”と思っているのかもしれないけど

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さて。今年も長野県・筑北村にやってきて合宿で、一生懸命桜の枝を切り出しながら、夜は、そんなことを考えていた。

この村の休耕地に桜を植えてもらい、その枝をおれたちが毎年買い取って、世間のために咲かせていろいろなシチュエーションに出荷している。

おれと正二さんは、全国でおれたちの桜を待ってくれるひとのために、いや、自分たちのためにも5日間で何万回とノコギリを引く。 最後の日にもなると自分も腕が自分のものじゃないような感覚になるが、これが超回復するとまた力持ちになれると思うと男的にはちょっとうれしい。
毎年そら植物園が桜を咲かすとニュースになるが、今年もまた、たのしみにしていてほしい。
桜は、誰かのために咲いているわけではなく、ましてやおれたち人間を喜ばすためでなく、彼ら自身のたちのために咲いているのだけれど、そら植物園の仕事を見て、
人の手で咲かせた桜がどれだけきれいなものかとか、誰かのためだけに咲かせた桜がどれだけロマンなものだとか、ひとりでも多くのひとに知ってもらえたらうれしく思う。

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今年も、おれのじいちゃんの盟友・寿雄さんはお元気だった。

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おれたちの名前は表にでなくとも、毎年何百件と、おれたちの桜がどこかでだれかのために咲いているのだけれど、

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最近は、桜を使った大きな仕事が多いため大きな枝を切ることが多い。

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2011年3月3日。 新幹線・さくらに開通にあわせて博多阪急で咲かせた桜。

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2012年3月22日。有楽町ルミネにて、東北の復興を祈願して全国47都道府県から集めた一斉に咲かせた日本桜。

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2013年3月22日、関西で最も人気のあるショッピングセンター・西宮ガーデンズの5周年を記念して咲かせた桜

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2014年2月27日。 イオン幕張新都心にて、咲かせたたった数日で2万人以上のひとが通り抜けてくれた、 KANAERU櫻。

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2014年4月2日。世界130カ国以上のVIPが集まった東京国際フォーラムにて、皇太子殿下もご出席されたWOCのオープニングパーティで咲かせた、おもてなし桜。

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そして代々木ヴィレッジも毎年やってます。

今年は、どこで大きな桜が咲くかな。乞う、ご期待 ということで、大きな桜はもちろん、今年は、たくさんの小さめの枝ひたすら集めている。

 

これは、ブルータスの新春号・夢の値段という企画で使う予定のもの。

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いままでは、そら植物園に桜の開花をたのむと言えば、大きな商業施設や、ホテルなどのイメージがあったけど、今年はなんと、個人の方先着100名に、そのひとが望む日に合わせてひとりひとり開花調整して、満開にして届けるという企画だ。

http://zozo.jp/brutus/

 

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ちなみに、切り出した枝は、100KGくらいの大きな束にして山から担ぎおろす。

全身がギシギシいうけど。

作業は毎日夜まで。

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おれたちの仕事は小手先だけではないから、死にものぐるいで木に向き合って、秒単位で手や足や頭をフル回転させて雪にも風にも負けず、弱音をはくこともなく桜を切り続けなければならない。筑北村とうちの付き合いは、おじいちゃんの時代からもう50年ちかく続いていて、毎年のことなのに、一年の最初に気合いが入る仕事だ

 

そして5日間の行程を無事終え、切り出した数千本の桜をトラックに積み込んで兵庫に送る。

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そして我が社でストックし、これからさまざまな場所へ、桜を待ってくれるひとのために順次、開花調整して世の中に出していく。さて。激動の2015年がはじまるぞー

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